オールアバウトTech Blog

株式会社オールアバウトのエンジニアブログです。

社内コミュニケーションをSlackに統一!Slackを全社導入したお話し

皆さん、はじめまして。情報システムグループ(いわゆる情シス) の@yu_araiです。
今回は、6月より弊社においてSlackを正式に全社導入しましたので、その経緯や導入に関するお話しをお送りいたします。

全社導入に至った背景

まず、導入と言っても、全くの新規導入という訳ではありませんでした。
今や”Slackあるある”となっていますが、弊社でもエンジニアが使っていたところから、ジワジワ広がりをみせ、気がついたら80%以上の従業員がアカウントを所有していました。
ただ、それにより、メール、チャット、Slack・・・と、様々なコミュニケーションツールを使うこととなり、コミュニケーションの分散化や、メールを送って返信がないからSlackでメールの返信を求めるといったような非効率なコミュニケーションが発生していました。

そのため、社内間コミュニケーションはSlackで!と決めることで、上記の問題解消と、併せてSlackによる、コミュニケーションの迅速化ナレッジの一か所への蓄積チャンネルの特性を利用したオープンなコミュニケーションの形成もできると考え、正式に全社導入することとしました。

導入計画

導入の計画ですが、導入にあたり以下の2点を実施しました。

  • ルール・ガイドラインの作成
  • 導入説明会の実施
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    説明用に作成した資料

ルール、ガイドラインの作成

Slackの使いやすさを損なわないよう、最低限のルールと、こう使ってほしいといったガイドラインを作成しました。

ルール
 1. 社内コミュニケーションはSlackで
 2. チャンネルはパブリックで
 3. 新規ワークスペース作成はNG
 4. 社外とのSlackを許可

ポイントは3と4で、取引先等の社外とSlackを使うことに関しては、元々禁止していたわけではないのですが、Slackがヌルっと広まったこともあり、そこのルールが明確ではありませんでした。 そのため、利用OKとはっきり宣言しました。
一方、新規ワークスペース作成に関してはNGとしています。
理由としては、弊社が契約しているSlackのプランでは個人で作成したワークスペースまで管理ができないためです。
今回はオープンなコミュニケーションやナレッジの蓄積も目的としているので、個人で作成したワークスペースはその存在を知らないと参加できないことや、ワークスペースにメッセージ・容量上限が発生してしまうことは、目的から少し外れてしまっていると感じたため、NGとしました。
ただ、禁止としてしまうと使いやすさを損なうことになるので、条件を理解して使ってもらう分にはOKと、少しゆるくしています。

次に、ルールとまではいかないまでも、ある程度決まった使い方をしてほしいと思い、ガイドラインを整備しました。

ガイドライン
 1. チャンネル名の変更
 2. 不要なチャンネルの削除
 3. チャンネルの目的を入力
 4. 個人プロフィールの更新
ここでのポイントは、3と4で、どちらも”探しやすくする”ことを目的としています。

4については、Slackで個人プロフィールの検索ができるようになっていますので、プロフィールに担当業務の項目を作成し、ここに自分の担当業務をキーワードで入れてもらうようにしました。
それにより、例えば〇〇システムについて誰に聞けばよいのかといった場面でユーザ検索してもらうことで、すばやく関係者にたどり着けるようにすることが目的です。

3についても同じようなことがいえます。
このチャンネルは何のためのチャンネルなのかを目的に記載してもらうことで、例えばどのチャンネルに質問したらよいのかといった場面で、チャンネル検索して、すばやく関係のあるチャンネルが見つかるようにすることが目的です。

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担当業務プロフィールととチャンネルの目的
以上のようなルール・ガイドラインを作成し、説明会を実施していきました。

説明会の実施

説明会を実施するにあたっては、全く使ったことがない、もしくはアカウントはあるけど今までほとんど使ったことのない従業員もいましたので、いきなりルール・ガイドラインを説明しても通じないということで、まずは初心者向け説明会を実施しました。
”チャンネルに入る””メッセージを送る””返事をする”ができればまずは問題ないので、その場で適当なチャンネルを作って、ハンズオンぽい感じで説明を行いました。

その後、定期的に行っている各グループのミーティングで時間を取って頂き、説明を行っていきました。
全体的に、使っていない人については、疑問点はこれから、使っている人については、今とそこまで大きく使い方が変わるわけではないので、紛糾することなくSlack導入には皆さん肯定的に受け止めてもらえました。

本格導入から2か月経過して

このような経緯で、6月前後から全体で使い始めていますので、現在約2ヶ月経ちました。
最近では、社内で聞こえる会話が“メールして”から”Slackして”に変わったように感じます。(余談ですが、”チャットして”とは言わず、なぜか”Slackして”なんですよね。不思議ですが・・・)

これは利用率にも出ており、説明会実施後から、利用率が上がっています。
現在は、若干下がっているようにも見えますが、取引先等の社外の方ともOKとしたため、ゲストが増えたことが原因です。

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Slackユーザ数推移

また、コミュニケーションや生産性の向上を期待できるチャンネルもできましたので、3つほどご紹介します。

  • グループ会社との共有チャンネル
    Slackをすでに利用しているグループ会社がありましたので、今までメール中心だったものをSlackの共有チャンネルで行うようになりました。 それにより、Slackで統一してコミュニケーションがとれるようになったので、無駄にSlackとメールを行き来する必要がなくなり、対応も早くなったように感じます。
    共有チャンネルについては少しずつ浸透しており、現在までにパブリックで11チャンネルが作成されています。

  • 新卒ヘルプチャンネル
    今年度の新入社員が早速作ったチャンネルで、用語とか、分からないことがあると、投稿しそれに誰かが答えるといったチャンネルです。
    このチャンネル新卒だけではなく、私を含め特に中途の従業員にとっても、へぇ~といった感じで勉強になり、とてもよい試みだなぁとちょっと感動しています。

  • 情シス質問用チャンネル
    情シスでは社内ヘルプデスクも担当しているので、情シスが作った何でも質問・相談して!のチャンネルです。
    今までは質問があると申し訳なさそうに来る方が結構いましたが、Slackで質問が気軽にできるようになり、今まで来なかったような質問もくるようになりました。
    これは、私たちにとっても個々に質問に答えて来たものが、ナレッジとしてSlackに溜まっていきますので、今後はそれを使って回答botみたいなことに発展ができるのではないかと期待しています。 (ちなみにこのチャンネルは#generalに次ぐ、参加者数です)

このように良い成果が出る一方で課題も多くあります。

今後の課題

  • ダイレクトメッセージ(以下 DM)が増えた
    オープンなコミュニケーションを目指す上ではDMではなく、パブリックチャンネルをもっと活用してもらいたいのですが、 どのチャンネルに送ってよいのか判断できないこともあり、DMで送ってしまうことが多いようです。 これは、上記にも記載したチャンネル目的欄の記載であったり、チャンネル名をより分かりやすくすることをさらに周知していく必要性を感じています。
    その一貫として、まずは会社の組織図に組織に基づいたチャンネル名を、プレフィックスを付けたものに変更し、載せるようにしました。

  • メールを使った作業フローが残ったまま
    せっかく、社内コミュニケーションはSlackで統一されてきたのに、申請や、一部のシステムではメールを使った作業フローが残っています。 これをSlackのアプリ連携等を使ってSlackで完結できるように変えていきたいと考えています。
    ここについては、Slackから先日発表のあったワークフロービルダーにちょっと期待しています。

  • 情報が流れ、後追いが困難
    コミュニケーションのスピードが上がった一方で、その情報がどんどん流れてしまって返事ができず、そのままとなってしまうケースも出てきています。 これについては、Slackのお役立ち情報を参考に、スターや絵文字を活用したり、チャンネルを細かく分けるといったことを考えていますが、引き続き良い方法を模索中です。

まとめ

というわけで、まだまだ課題は多いものの、Slackを使うのが当たり前となりつつあります。
今後は、その課題を解決するため、もっと使いやすくするために、botやアプリ連携を色々試していきたいと考えています。
ですので、次回がいつかは分かりませんが、ぜひ!課題を解決した活用編を、また情シスからお届けしたいと思いますので、ご期待ください。
それでは、また!